2014年10月13日

ひとつばたごの木(なんじゃもんじゃ)

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神宮球場にて、詳細は読んでの通り…小葉を持たない単葉であることから「一つ葉タゴ」の和名がある
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「ナンジャモンジャ」と名付けられる植物の樹種には、ヒトツバタゴのほかにクスノキ(樟)、ニレ(楡)、イヌサクラ(犬桜)、ボダイジュ(菩提樹)がある

関連する過去のブログ
・都心の自然を無料で楽しむ
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2012年09月08日

狐の剃刀(キツネノカミソリ)

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近所の恩田の谷戸でひときわ目立つオレンジ色の花
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キツネノカミソリはヒガンバナ科の植物でヒガンバナに特徴が似ている
まず、早春から葉を出し夏草が茂るころには葉が枯れる。その後に花茎を出し花を咲かせる、花が咲くときには葉はない
キツネノカミソリはお盆ころに、ヒガンバナはお彼岸に花を咲かせる
ヒガンバナは人里の草原や河原、キツネノカミソリは明るい落葉広葉樹林に生育する
有毒植物である点でヒガンバナと共通する

名前の由来は葉の形がカミソリに似ており、花の色がキツネの体色をイメージさせる。
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つくづく面白い形をしている

関連する過去のブログ
・ハミズハナミズ(葉見ず花見ず)
http://morinotabibito.sblo.jp/article/49215084.html
・彼岸花(ヒガンバナ)
http://morinotabibito.sblo.jp/article/48139146.html

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2012年05月12日

熊棚(クマダナ)

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奥多摩御前山の山頂横に何やら巣のようなものを発見、鳥の巣にしては大きく、カラスの巣にしてはこんな環境が厳しい山頂にわざわざ作る必要はなく・・・不自然だ
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東京都レンジャーさんが熊棚だと教えてくれた、良く見れば少なくとも3つは確認できる
クマダナは、熊がミズナラやコナラ、クリなどの木に登り、枝を折ってドングリなどを食べた跡、山歩きでは熊に注意すべき一つの目安となる

渓流釣りをしていて熊に会ったことは何度もある、渓流では音(声や鈴)はかき消されて熊よけにはならない、風向きに注意して風上になり、こちらのにおいを知らせることが大切だ、時々タバコに火を着ける(健康に悪いので吸わなくてよい)、蚊がいなくても蚊取り線香、何か臭いものをぶら下げてゆくのも手(食べ物はやめたほうがいい)、それでも近距離で出会わないように絶えず注意する、会ってしまったときは、ゆっくりと下流(低いほうへ)逃げる、熊が最も怖いのは人間であることを忘れてはならない

関連する過去のブログ
・奥多摩を巡回する…サポートレンジャー
http://morinotabibito.sblo.jp/article/55665839.html

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2012年05月11日

三葉躑躅(ミツバツツジ)

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奥多摩の山間部でひときわ映えるツツジがある
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ツツジの多くは雄しべが10本なのに対し、5本であることが大きな特徴、何故か盗掘が絶えないので数は少ない、この日もGPSですべての場所を記録した
枝先に三枚の葉がつくことからこの名がついた、日当りのよい、やや乾燥した場所を好む

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2012年05月10日

寄生木(ヤドリキ)

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奥多摩を歩いていたら木の上に何やら巣のようなものが・・・

ヤドリキはヤドリギ科の常緑小低木でホヤ(寄生)、トビヅタ(飛蔦)とも呼ばれる

落葉広葉樹の樹上に寄生する、枝分れして40−60センチの球形になる

果実も球形、約6ミリの液果で、淡黄色の半透明に熟す、粘りが強く、鳥類によって他樹に運ばれ、粘着して発芽する

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2012年05月09日

鳥兜(トリカブト)と二輪草(ニリンソウ)

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この時期間違って食べると大変なことになる

トリカブトの仲間は日本には約30種、花の色は紫色の他、白、黄色、ピンク色など、多くは多年草

名の由来は、花が古来の衣装である鳥兜・烏帽子に似ている? 鶏の鶏冠(とさか)に似ている?

ドクウツギ、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされる

ニリンソウは、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草、3−6月に、白い萼片を持つ花をつける、1本の茎から2輪ずつ花茎が伸び、和名の由来となっている

根茎は「地烏(ジウ)」と呼ばれ、漢方薬として用いられる、また、若葉は山菜として食用とされるが、有毒植物であるトリカブトの若葉に似ていることから注意が必要

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2012年05月08日

雪笹(ユキザサ)

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これから白く美しい花をつける多年草、山の木陰でよく見かける秋になると赤い実がなる、そのまま食べられる

名前の由来は、小花の咲く様子が雪のように美しく、葉が笹の葉に似ているから

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2012年05月07日

汚れ猫の目草(ヨゴレネコノメソウ)と山猫の目草(ヤマネコノメソウ)

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奥多摩の沢に接した湿った場所に黄色い花を発見
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ヨゴレネコノメは一度聞いたら忘れないので覚えやすい、山の湿った場所に生える多年草
多摩では、ごく限られた場所に少ない個体数しか確認できておらず地域絶滅が危惧されている
果実が裂開した様子が猫の目に似ていることから「ネコノメソウ」で、ヨゴレは、黄緑色になる花の基部の葉を「汚れている」と見立てたもののようだ
   
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ヤマネコノメソウの名の由来は、 果実が裂け、種が猫の瞳孔に似るため 
2年草でやはり山の渓流沿いなどのやや湿った場所に生える

いずれも見逃しやすい花だが拡大してみると面白い

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2012年05月06日

片栗(カタクリ)

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4月30日奥多摩の御前山にて撮影

カタクリは、ユリ科の球根性多年草、雪解けとともに開花する、日本には1種のみ分布する


かたくり粉は、鱗茎から良質のデンプンをとったものだが、現在かたくり粉と呼ばれているもののほとんどはジャガイモからとっている

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2012年04月21日

姫踊子草(ヒメオドリコソウ)

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紫蘇(しそ)科、オドリコソウ属の越年草の野草、 ヨーロッパを原産地とする
明治時代中期に帰化した外来種で、主に本州を中心に分布する、上部では暗紫色を帯びる、葉をもむと悪臭がある
関東地方では3月から5月にかけて開花する、しばしばホトケノザとともに生えており、葉と花の色が似ているが、上部の葉の色づくこと、葉の先端が尖るほか上部の葉も葉柄を持つことで容易に見分けはつく

中国・朝鮮半島から日本に分布するオドリコソウの同属であるが、背丈・葉や花の大きさとも半分以下で小さいため「姫」の名を冠して呼ばれる
花序が環状に並ぶ様子を、踊り子が並んで踊るさまに例えて名づけられた
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2012年02月25日

栗たま蜂(クリタマバチ)

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クリタマバチの被害を受けたクヌギの枝、虫こぶ(クリメコブズイフシ)だらけだ、近所の谷戸でクヌギを伐採したら見つかった
タマバチ科で北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国、北アメリカ、イタリアなどどこにでも生息する 、中国から日本に侵入したと考えられている、雌バチだけで繁殖し、雄バチはみつかっていない
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虫こぶの大きさは15mm程度だが、複数個の虫こぶが癒着して大きく見える、虫こぶは冬芽の展開と同時に成長を開始、成虫は初夏に虫こぶから脱出する
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2012年01月05日

蝋梅(ロウバイ)

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梅の仲間ではなく、ロウバイ科の落葉低木樹、1月から2月にかけて黄色い香りの強い花を付ける

唐の国から来たこともあり唐梅とも呼ばれ、中国名も蝋梅であったことにちなむ、花弁が蝋のような色であり、かつ、臘月(ろうげつ、旧暦の12月)に咲くからこの名がついた、蝋細工のような、梅に似た花から蝋梅の名になったという説もある

花やつぼみから抽出した蝋梅油(ろうばいゆ)を薬として使用する、強い抗菌・抗炎症作用や皮膚の再生作用があり軟膏として利用される

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2012年01月04日

三椏(ミツマタ)

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冬の蕾の状態でもこの存在感、春になり開花すればもっと見事な光景になる
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冬はじっと耐えるしかない
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蕾が青く、葉が残った個体もある

ジンチョウゲ科の落葉低木樹、枝がすべて3本に分かれるのが特徴で、ミツマタの名はこれに由来する

中国原産で皮の繊維を紙の原料とするために栽培されてきた、枝を切って煮たり蒸したりして樹皮を剥ぎ取り、水に浸けて漂白する、これをたたいて繊維をほぐし紙の原料とする、良質で丈夫なので紙幣や証券用紙にされるが、紙の利用が減るにつれ原料から観賞用に変化してきている

人工林の少し明るいところ(例えば搬出用の重機広場など)に栽培を目的に植えられて群生しているのを見かける

posted by 森の旅人 代表 at 08:11| 動植物の面白知識

2012年01月02日

山茱萸(サンシュユ)

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サンシュユはミズキ科の落葉樹、ハルコガネバナ(春黄金花…春のまだ寒いうちに鮮やかな黄色い小花を咲かせる)、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれる

晩秋に付ける2センチほどの紅色楕円形の実は大きな種があって食べられる部分は少ないうえに果肉はすっぱい

サンシュユは、男性の精力を応援したり女性の若さを維持するためなどに使われている
韓国では古くからせんじたりお酒につけたりして飲まれていた
現在は温性≠フ性質をもった癒しの果実≠ニして人気がある

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2011年12月20日

紫式部(ムラサキシキブ)

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ムラサキシキブはクマツヅラ科の落葉低木、果実が紫色で美しいので観賞用に栽培されている

もともとムラサキシキミと呼ばれていたため紫式部となったようだ、シキミとは重る実=実がたくさんなるという意味
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2011年12月03日

紅葉(モミジ)

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紅葉、黄葉、褐葉の違いは、それぞれの色素を作り出すまでの葉の中の酵素系の違いと、気温、水湿、紫外線などの自然条件の違いが、複雑にからみあって起こる

紅葉の大雑把な仕組みは、秋に一気に冷え込むと緑色の物質が素早く分解される、かつ、昼に十分な光を受け、たくさん蓄えられた糖分が、晩の冷え込みで一気に赤色に変わる、夜に温度が高いままだと葉の呼吸に糖分が使われうまく変色できない

紅葉は、葉柄の付け根に離層という特殊な水分を通しにくい組織ができ、葉に合成された糖分がどんどん葉の中に蓄積され、この糖分から赤い色素アントシアンが新たに合成さる、一方、緑色のクロロフィルは、どんどん分解されてしまう、結果として、緑色の色素がなくなり、赤い色素が増える

黄葉は、植物の葉にはもともとカロチノイドという黄色の色素があるから、クロロフィルが分解されると、緑色が薄くなることで、このカロチノイドの黄色が目立つようになり、黄色く色づいたように見える

褐葉は、黄葉と同じ原理だが、タンニン性の物質や、それが複雑に酸化重合したフロバフェンと総称される褐色物質の蓄積が目立つために起こる、黄葉や褐葉の色素成分は、量の多少はあるがいずれも紅葉する葉にも含まれており、本来は紅葉するものが、アントシアンの生成が少なかったりすると褐葉になる

関連する過去のブログ
・紅葉は和色で鑑賞する
http://morinotabibito.sblo.jp/article/41844402.html
・秋の恵み…紅葉編
http://morinotabibito.sblo.jp/article/41806290.html

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2011年11月11日

銀杏(イチョウ)

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横浜市青葉区の街路樹、見事な銀杏並木だ
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名の由来は、葉の形をアヒルの足に見立てた 中国語でイアチァオからきているとされる
中国原産の落葉高木樹、針葉樹とされる場合があるが、厳密には広葉樹にも針葉樹にも属さない、普通に見れば広葉樹だが実は針葉樹、でも厳密にはどちらでもない…観察会ではよくこんな説明がされる
雌雄異株のため、雄株と雌株があり、ギンナンは雌株にのみになる、雌雄の区別は葉の形(ズボン型とスカート型)でできるというが、根拠はなく、雌雄の判別は生殖器官の観察によるしかないらしい
東京都のマークは昔、用途によってズボン型とスカート型(例えば清掃車はズボン型)に分けていたというが、調べてみたがよくわからない

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2011年11月09日

野薊(ノアザミ)

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ノアザミ? 葉っぱの形からそう思われるが11月6日に旅人の森で沢山咲いていた、こんなに遅くまで咲いているものなのだろうか?タムラソウではなさそうだ

キク科アザミ属で単にアザミという種はない、別名刺草、名前の由来は、アザム〈傷つける、驚きあきれる意〉がもとで、花を折ろうとするととげに刺されて驚くからという説がある
触れれば痛いのでスコットランドでは、そのトゲによって外敵から国土を守ったとされ国花となっている

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2011年11月08日

晒菜升麻(サラシナショウマ)

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今年も旅人の森にサラシナショウマ(葉っぱの形からたぶんそう)が咲いた

サラシナショウマ(晒菜升麻、更科升麻)とはキンポウゲ科の多年草
この草の若菜を採ったら、流水に1〜2日”さらして”ゆでて食べる、根を乾かしたのは「升麻」という生薬、升麻はサラシナショウマの漢名

関連する過去のブログ
・晩秋の旅人の森を紹介します
http://morinotabibito.sblo.jp/article/41700678.html

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2011年11月02日

権萃(ゴンズイ)

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ミツバウツギ科の落葉小高木、秋に紅色の袋の中から黒い実が現れる
名前には様々な由来がある
・樹皮の模様が、魚のゴンズイに似ている
・材としては用途がないところから、同様に役に立たない魚とされるゴンズイ似ている
 海水魚のゴンズイは、ヒレに強い毒があり、非常に迷惑な魚として役に立たないといわれる
・樹皮は灰緑色で白褐色の皮目が縦縞状に見える、この模様が魚のゴンズイに似ている
・釈迦が生まれ変わるとき、5つの衰兆→五衰 (ごんずい)を現したことにかかわるという説
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2011年09月24日

彼岸花(ヒガンバナ)

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ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草、有毒な球根性植物、道端などに群生し9月中旬に赤い花をつけるが、稀に白いものもある

有毒で、特に鱗茎にアルカロイド(リコリン、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリンなど)を多く含む

稲作の伝来時に土と共に鱗茎が混入してきて広まったといわれているが、土に穴を掘る小動物を避けるために有毒な鱗茎をあえて持ち込み、あぜや土手に植えたと考えられる

森林内でも見られる場合があるが、これはむしろそのような場所がかつては人里であった考えるべきだろう

開花終了の後、晩秋に線形の細い葉をロゼット状に出す、葉は冬の間は見られるが、春になると枯れてしまい秋が近づくまで地表には何も生えてこない、つまり開花期には葉がなく、葉があるときは花がない
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2011年09月17日

露草(ツユクサ)

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露草(つゆくさ)科の1年草、夏至の頃から秋へと向かう頃(6月〜9月)は朝露が降りる、この時期に花が咲く、朝咲いた花が昼しぼむことが朝露を連想させることから「露草」と名付けられたという、英名も短命を想像させるDayflower

ツユクサは古くは"つきくさ"と呼ばれており、転じてツユクサになったという説もある、「つきくさ」は月草とも着草とも表され、元々は花弁の青い色が「着」きやすいことから「着き草」と呼ばれていたものと言われている、青色の花で紙や布をつき染めた、京都の友禅染めの下絵に使われる
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2011年09月15日

木通(アケビ)

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旅人の森ではアケビを見ることができる、収穫しようと思った頃には誰かが採ってしまって、いまだに味わったことがない、そういえば最近サルをよく見かける

実はいうまでもなく甘く美味しいらしい、皮も天婦羅にするといい、蔓は漢方薬になるそうだ
栽培されているものは葉が5枚、野生のものは葉が3枚、ミツバアケビという
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2011年09月12日

水引草(ミズヒキソウ)

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タデ科の多年草、開花時期は 8〜10月、花は上から見ると赤く見え、下から見ると白く見えるので紅白の水引に見立ててこの名がついた 

実ができると先に引っかかりがあり、これが動物や衣服などにくっついて遠方に運ばれ落ちるて広がる

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2011年09月08日

藪蘭(ヤブラン)

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藪に自生して、葉が蘭に似ていることから、江戸時代のころにこの名前となった 9月4日旅人の森にて

ユリ科の多年草で園芸品種には葉に黄白色の縦じまが入ったオキナヤブランがありよく見かける

冬でも葉が枯れない常緑性で日本には「ヤブラン」「ヒメヤブラン」「コヤブラン」の三種がある

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2011年09月07日

葛(クズ)

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クズの花、下から咲いてゆく、9月4日旅人の森にて
クズはマメ科のつる性の多年草、根を用いて食品の葛粉や漢方薬が作られる、秋の七草の一つ

かつての大和国(現:奈良県)の国栖(くず)が葛粉の産地であったことからこの名がついた、英語名は日本語からkudzu「クズー」あるいは「カァズー」と発音される

クズのつるは長いことから、切り取ったつるが乾燥して固くなる前に編むことで、リースなどをつくることができる
また、煮てから発酵させ、取りだした繊維で編んだ布は葛布(くずふ)と呼ばれ衣服・壁紙などに幅広く使われたが今はない

クズの根を干したものを葛根(かっこん)という、発汗作用・鎮痛作用があるので漢方薬の葛根湯になる
葛粉(くずこ)は根から取れるデンプンを精製することによって作られ、葛切りや葛餅などの原料となる
葛粉を湯で溶かしたものを葛湯(くずゆ)と言い、熱を加えて溶かしたものは固まると半透明もしくは透明になることから和菓子材料や料理のとろみ付けに古くから用いられている

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2011年09月06日

薮茗荷(ヤブミョウガ)

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ツユクサ科に分類される多年生草、ミョウガと呼ばれているがミョウガはショウガ科であり、ヤブミョウガとは関係ない

群生している様子が、藪(やぶ)に見え、葉がミヨウガに似ていることからこの名になったと言われているが定かではない

葉の開かない頃の若葉を採り、塩を入れて茹でてさらしてサラダに入れたり、炒め物、すまし汁にして食べる、但しミョウガのような香りはしない

5月頃から発芽し、夏にかけて草丈 1m前後に生長、ミョウガに似た長楕円形の葉を互生させる、8月頃になると茎の先端から花序をまっすぐ上に伸ばし、白い花を咲かせる
花が終わると初秋にかけて球状の実を付け、じきに葉を落とす、実は若いうちは緑色で、熟すと濃い青紫色になる
種子のほか、地下茎を伸ばしても殖え、群生する

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2011年08月20日

和棕櫚(ワジュロ)

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ヤシ科の植物の中ではもっとも耐寒性が強いため、東北地方までみられる
雌雄異株で、雌株は5〜6月に葉の間から花枝を伸ばし、微細な粒状の黄色い花を密集して咲かせる、果実は11〜12月に黒く熟す
シュロ皮は、繊維をとるのに用いられる、腐りにくく伸縮性に富むため、縄や敷物、ホウキなどの加工品とされる

シュロの種は鳥によって運ばれるため人が故意に植えたわけでないのに芽を出し成長しているものが多い、俗にノラジュロ又はノジュロという
ノラジュロが公園に存在すると燃え易い「着火物」となるので管理面から嫌われる

シュロは形成層を持つが年輪はできない変わった性質を持つ、年輪ができないので木ではなく、草の仲間に分類される場合や形成層をいちおう持つので木に分類される場合がある

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2011年08月17日

射干(シャガ)

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開花期は4−5月くらいで、白っぽい紫のアヤメに似た花をつける、花弁に濃い紫と黄色の模様がある
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アヤメ科アヤメ属の多年草、中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物
根茎は短く横に這い、群落を形成する、木陰や湿ったところにあっと言う間に増える

種子が発生しないので人為的に広げられてきたと考えてよい、自然林には殆ど存在しない
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2011年08月16日

銀盃草(ギンパイソウ)

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7月 群馬県赤城自然園にて
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アルゼンチン原産の小さな多年草で、夏になると乳白色の芳香がある花を次々と咲かせる
花は広い釣鐘形、別名、「ホワイトカップ」
寒さには強いが乾燥に弱く、水はけのよい環境を好む
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2011年08月15日

山椒薔薇(サンショウバラ)

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バラ科バラ属の落葉小高木、葉が山椒(サンショウ)の葉に似ているためこの名がついた

日本固有種で本州の神奈川県、山梨県および静岡県にまたがる富士箱根地区の山地に生育する、別名、箱根薔薇(ハコネバラ)ともいう
幹は太く、高さは5メートルになる。枝はよく分枝し、稲妻形に屈曲し、扁平な強い刺がある
花期は6月、小枝の先端に径5−6センチになる淡紅色の花をつける
果実は大きく、径2センチの扁球状になり、全体に蕾時から生える硬い刺が残る

現物を見たい方は、山北町の県立21世紀の森 森林館玄関前にある…
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2011年08月14日

紫鷺苔(ムラサキサギゴケ)

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ゴマノハグサ科の多年草、花の形が鷺に似ているのでこの名がついた
白花の場合は、鷺苔(サギゴケ)という
湿ったあぜ道などの日当たりの良い場所に生える、地上を這って広がってゆく
花期は春〜初夏、中央の黄褐色の部分に毛が生えている

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2011年08月13日

白だも(シロダモ)

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クスノキ科シロダモ属の常緑高木。別名はシロタブ、タマガヤ

若枝には黄褐色の絹毛があり、その感触はウサギの耳に例える(ウサギの耳の感触がわかる方は少ないかもしれないが…)、後に表面は無毛になる
木全体に精油を含み芳香があり、種子から採油し、ロウソクの材料とされる

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2011年08月12日

(松風草)マツカゼソウ

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ミカン科で唯一の草で多年草、50〜80aになる、葉は 3 回 3 出羽状複葉で、小葉は卵形で柔らかく裏面は白色を帯びている、枝の先に花序を出し、白い小さな花をたくさんつける、マツカゼソウは、微風にも揺れる姿からついたとされる
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葉をちぎると、ミカン科特有の香りがするため、鹿も食べない、ハーブのルーと同じ仲間で、オーストラリアではネコの嫌がる植物として有名
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2011年08月11日

寒葵(カンアオイ)

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葉の色や柄は個体差がある
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花です
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常緑で冬でもあおい葉をしているのでこの名がついた、自然豊かな山地に多く群生する

小型の多年草で茎は短く、葉は互生、「ウマノスズクサ科」に属する、「アオイ科」ではない
「ウマノスズクサ科」は果実の形が馬の首に下げる鈴を思わせるところからきている
 
カンアオイの仲間の葉を傷つけると精油のスーっとした香がする、お試しあれ…

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2011年08月10日

岩煙草(イワタバコ)

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湿った岩壁に着生するイワタバコ科の多年草、花は美しいので山草として栽培もされる、葉がタバコに似るのでこの名がある、当然、タバコにはならない
また若葉が食用にできることから別名イワヂシャ(岩萵苣)ともいう
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高さ10センチほどの花茎を出して散形花序をつけ8月頃に開花する、散形花序をつくり紅紫色の花を横向きに開く、葉は冬には枯れ、新葉が縮んだ冬芽として越冬する

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2011年08月09日

シャトル杉(しゃとるすぎ)

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植樹される直前の様子
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神奈川県山北町では大野山開きがあった2010年4月29日、大野山山頂で一般参加者によりクヌギとコナラの苗木1000本が植樹された
この日の式典では松沢成文知事、山北町長、共和小学校の児童3人により“シャトル杉”の記念植樹も行われた

この杉は平成17年にディスカバリー号で野口聡一宇宙飛行士とともに宇宙飛行した杉の種が発芽し成長したものを挿木にしたもので、杉の種は山北町箒沢地区にある、神奈川県内で最高齢の生命体である箒杉(ほうきずぎ)から採取したもの
箒杉は樹齢2000年、高さ45m、胸高周囲12m、国指定天然記念物の巨木、山北町箒沢地区では、昭和47年7月に死者不明者9名という集中豪雨による土砂崩壊・土石流災害が発生した、当時を知る方は「箒杉」がわしらを救ってくれたんだと語る、しっかり根を張った巨木は、地盤を支えている存在でもある

シャトル杉の詳細は以下にある(神奈川県のホームページ)
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/10481.pdf

植樹の様子・・・関連する過去のブログ
・環境イベントその後
http://morinotabibito.sblo.jp/article/44666953.html

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2011年08月05日

蝮草(マムシグサ)

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サトイモ科の多年草、球茎は平たい円形で地下にある、偽茎は、葉柄下部の2つの葉鞘部分が重なってできたもので、紫褐色のまだらな模様がありマムシに似ているところからこの名がつけられた
晩春に、花茎を直立させて開花する、苞(仏炎苞)は紫色に近く、白線がある、なかには苞が緑色のものもあり、アオマムシグサまたはカントウマムシグサと呼ばれる、果実は秋に橙色から赤色に熟し、トウモロコシに似た形状の果実を付ける

球根や葉にはシュウ酸カルシウムの針状結晶が含まれ有毒、誤って食すと口中からのどまでに激痛がはしり、唾を飲み下すことすらできないほどとなる
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2011年08月04日

破れ傘 (ヤブレガサ)

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旅人の森のヤブレガサ、2011年春〜
見ての通り、春、葉が出てくるとき破れた傘のような形になるのが名の由来 
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破れた形が見られるのは10日ほどで、その後は平らに葉が開く、直径40センチ以上になり、7−9個の裂片に掌状深裂する
各裂片はしばしば2中裂する、縁に不ぞろいな鋭鋸歯がある、モミジガサと間違えやすい
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多年草であって若い年は花茎は出ない、年数が過ぎ栄養が蓄積されると花茎を出す

芽出しの頃の、破れた状態の葉と茎は、山菜として食べられる、そのまま衣をつけて天婦羅にする
ひとつまみの塩をいれた熱湯でゆで、冷水で冷まし水を切り、おひたし、ごまあえ、からしあえ、油炒め、つくだ煮などにしてもよい

方言名にキツネノカラカサ、カラカサグサ、ウサギノカサなどがある、中国では「兎児傘」という”ウサギの子供がさす傘”…風情がある   

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2011年08月03日

紫陽花(アジサイ)

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「あじさい」の名は「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛った(なまった)もの

アジサイのつぼみ、葉、根には青酸配糖体(グリコシド)が含まれていて、ウシ、ヤギ、人などが食べることによって同植物内の分解酵素と反応したり、胃内の消化酵素と反応することで青酸(シアン)を生成、嘔吐、ふらつき歩行、痙攣、昏睡、呼吸麻痺などの中毒症状が出る、毎年、間違って食べて中毒になるニュースを耳にする

花(正確には萼)の色は、アントシアニンのほか、その発色に影響する補助色素や、土壌の酸性度、アルミニウムイオン量、さらには開花からの日数によって様々に変化する、そのため、「七変化」とも呼ばれる

一般に「土壌が酸性ならば青、アルカリ性ならば赤」と言われているが、一概には言えない、土壌の pH (酸性度)は花色を決定する要因の一つに過ぎない

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2011年08月02日

双葉葵(フタバアオイ)

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群生するフタバアオイ、7月31日群馬県赤城自然園にて

湿った山地に自生し、茎は地上をはって伸び、先端に2個の円形(基部はハート形)の葉を対生する
徳川家の紋所の「葵の御紋」はこの葉を表したもの
紫褐色の花が3〜5月に咲く
別名、カモアオイ(5月に行われる京都三大祭りの一つとされている賀茂神社の葵祭りに由来する)ともいう
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2011年08月01日

山百合(ヤマユリ)

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ヤマユリとマムシグサのコラボレーション、7月31日群馬県赤城自然園にて

黄色い花粉はナルキシンを含み皮膚や衣類に付くとなかなか取れない、それを知らずに付いた服を洗濯した場合、他の洗濯物や洗濯機が大変なことになる、華道用には予め花粉の部分を取っておくそうだ
ユリはたいてい細い茎の割には大きな花を咲かせる、弱い風でも揺り動くのでその名がついた、可能であれば香りも楽しみたい

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